片麻痺による片麻痺のためのブログ

片麻痺の私が片手でレトルトの袋を開ける方法

お腹が空いた平日の昼下がり、湯煎したカレーのパウチを右手で鍋から引き上げた。

熱々の銀色の袋からは、ほんのりとスパイシーな香りが漂っている。

皿を用意し、パックの端にある「あけくち」の切れ目に右手の親指と人差し指をかけた。しかし、もう片方の端を押さえる手が足りない。

奥歯とプラスチックの味

左手はテーブルの上に置いてある。……あ、今のなし、置かれているというより転がっているに近いかもしれない。

指を曲げて袋を挟むような動きはできなかった。

私はパウチの左端を口にくわえた。奥歯で噛み締め、右手に力を込めて引き裂こうとする。

ツルツルとしたアルミフィルムが歯の隙間でぬめり、パウチの角が口の中に刺さった。力任せに引っ張るとパウチは伸びるだけで、口の中にプラスチックの味が広がる。

片手で袋を開ける動作は、両手を使っていた頃には意識しなかった左右の連携が必要なのだと分かった。

口や歯を使ったり顎で挟んだりする無理な動きを続けると、動く右側の首や肩までカチカチに緊張してしまう。リハビリの先生からも、身体を痛めないためには道具や環境を整えることが大切だと教わっていた。

動かない左手の体温と重み

ふと、テーブルの上に置かれた左手に視線をやった。自分の意思では動かないけれど、右手を重ねてみると確かな体温がある。

冷たいものを触れさせればひやりとする感覚も残っていた。

歯で噛むのをやめて、左手をパウチの端の上にそっと乗せてみた。動かない手の重みをそのまま重しとして使い、袋を押さえる。

そのまま右手でハサミを持ち、ゆっくりと切れ目を入れると、すんなり袋が開いた。

片手動作を補助するオープナーなどの道具や、動かない方の手の重みを使う工夫をいくつか試してみた。無理に力をかけずに開けられた瞬間、肩や首の力みがすっと抜けていくのを感じた。

身体の使い方を少し変えるだけで、フィルムの味ではなく温かいカレーの味を素直に味わえる。

明日の昼下がりは、同じやり方で大好きな中華丼の袋を開けてみようと思う。


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私が運営するセレクトショップ「AGAIN」では、店主である私自身が片麻痺の暮らしの中で「本当に救われた」と感じた道具だけを選んでいます。

▼片麻痺Takaの片手ショップ「AGAIN」 https://shorturl.at/TApnx

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